「姥捨て山を読んだよ〜」と、くろじい憧れのT看護婦からメールをもらった。
(ラブレターだったら良かったのに〜)勝手に引用させてもらっちゃう。
彼女のお婆ちゃんは97歳になる。
一昨年までバリバリ現役で一人暮らしを楽しんでいた、そのまま気楽な一人暮らしを楽しませておけば良かったのだが、田舎はどうしても世間体があるという理由から、ある日息子さんと同居する事に。
それがきっかけか?寝たきりになるまでは本当に早かったそうだ。
元気だったお婆ちゃんが部屋に閉じこもって口も利かなくなった、御飯も食べない。
終いには自分で手首に傷をつけた。
それは身体だけじゃ無く、環境の変化によって心まで固く閉ざしたお婆ちゃんのささやかな、そして初めての抵抗だったに違いない。
家族に手に負えなくなったお婆ちゃんの行く場所は、やっぱり病院&老人ホーム・・・
当然歩けなくなってるし、車椅子にも座らせてもらえない、今ではT看護婦の顔もわからなくなってしまってる・・・
きっと今まで、お婆ちゃんの小さな心と身体を支え続けて来た「自由できまま」という大きなエネルギーが閉ざされちゃったんだろうなあぁ・・・・・
彼女は「自由に暮らさせてあげれば良かった」と悔やんでる。
でも孫である若い彼女に出来る事は限られてるもん。
彼女のメールには「介護保険なんて本来使えるはずの本人じゃ無くて家族の都合で使ってる、介護支援なんてうたい文句とはさらさら遠い」とも書いてあった。
俺がM病院で会った、戻ってきたら口を利かなくなってたお婆ちゃんと同じだ。
核家族化がすすんで年寄りはお荷物。
介護保険なんて本当に役に立ってるのか?
核家族を推進させるためのシステムじゃ無いのか?
老人相手の福祉産業を合法的に儲けさせるだけのシステムじゃ無いのか?
じゃあどうしたら良いの?と問われると俺には答えられない。
どんな家族にも少しだけ・・・・・ほんの少しだけ愛情と勇気があれば良いのだろうね。
でもそれが一番簡単で、実は一番難しい。
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